細野豪志環境・原発担当大臣より
「レンジャー」
トキのヒナの誕生は、私にとって久々に嬉しいニュースでした。野生での繁殖は36年ぶりというのですから、快挙です。新潟県、佐渡市、そして、トキを提供してくれた中国の関係者の献身的な協力の結果です。
日中国交正常化40周年に、成果が出たのも因縁でしょう。ささやかなものかも知れませんが、復興元年の2012年、被災者を勇気づけることにもなればと、願っています。
そういえば、今日、訪問した達増岩手県知事の部屋のテーブルに、”sure to rise”と大きく書かれたマットがひかれていました。地震に襲われたニュージーランドのクライストチャーチで使われたキャッチフレーズで、今回の災害に対するお見舞いで贈られたものだそうです。「復興、間違いなし!」といったところでしょうか?日本語の「がんばろう!」というスローガンもいいですが、口に出すことで現実を引き寄せる「言霊」の力を利用するのも、良いかも知れません。
話を元に戻します。聞くと、トキの保護に税金を使うことを疑問視する声があるそうです。子供の時に琵琶湖の生態の激変を目の当たりにした経験から、私は生物多様性こそ根源的な環境問題と捉えています。また、こうした問題に真摯に取り組めてこそ文明国と言えると思うのです。
トキの繁殖は環境省の仕事なのですが、中でも、自然保護官(通称、レンジャー!)と呼ばれる職員が、生物多様性の問題や、自然公園の保護に取り組んでいます。素晴らしい能力と情熱を兼ね備えたプロ集団です。これを機会に、皆さんに彼らの活動を是非とも知ってもらいたいと思います。
先ほど入った報告によると、ヒナは3羽。天敵に襲われないだろうか?若い親がちゃんと餌を運んでくれるだろうか?不安は尽きませんが、”sure to succeed”の願いを込めて、見守りたいと思います。
4/23
◎細野豪志の「今日のひとこと」